エステル・ユスターシュの航海日誌

FINAL FANTASY XIV Player's Logbook

第1章 巴術の師弟

※この物語はあたかも本編準拠のような単なる妄想です。
※ときどきネタバレとか含まれちゃうかも知れません。





 
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「心配ご無用ですっ! 私のことなら、気にしないでいただけますか?」
 なんて、そのサンシーカーは言う。いやいやいやいや、気になるって。
「今、いいところですので、しばしお待ちを」
 口調はしっかりしてるし、さも当然みたいな体なんだけど、彼女は盛大にずっこけたまま。いろんな意味で心配になっちゃう。体とか脳とか精神とか。

 
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「遅ればせながら、はじめまして。メルヴァン税関公社の主任検査官ク・リヒャです」
 のそのそと起き上がるとしれっと自己紹介なんかして! なんなのこの人!?
 年の頃は私よりちょっと上だと思うんだけど、だからってオトナな印象なんてまったくない。飄々として掴みどころがないとも言えるし、ただただ無邪気な少女って感じもする。
「えっと、あー、エステルです。エステル・ユスターシュです」
 あ、嫌な予感する。私、ここでギルドの指導員さんと合流することになってるんだった。

 
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「このたび、トゥビルゲイム代理からキミの試験監督、兼、指導員を拝命いたしました」
 これが私と“先輩”との出会い。
「これから、一緒に巴術を学んでいきましょうね」
 今から思うと、最悪の三歩くらい手前みたいな出会いだった、かな?

 そもそも、ね?
 冒険者ギルドの顔役とかいうバデロンさんっておじさんに巴術士ギルド紹介してもらったのね。ぶっちゃけ冒険者なんて危なっかしい仕事するつもりなかったんだけど、ここの巴術士ギルドはメルヴァン税関公社っていうリムサ・ロミンサのお役所が運営してるって触れ込みで。それなら安定したお仕事じゃん、って入門したんだけど。
 結局やらされるのって税関のお仕事の下請けみたいな力仕事ばっかり!
 たとえば、この日は先輩の指揮でゴブリン族のキャンプを強制査察することに……。

 
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 しょっぱなから作戦は瓦解した。いや、ルイン外しまくった私が悪いんだけどさ!
「先輩っ! あのあの! あのーっ!? これってどうすれば!?」
「想定される戦術状況7番に基づいてルインによる長距離攻撃を実施してください」
「いや、あの先輩、見てます!? ルイン当たらないんですけどぉ!」
「それでしたら作戦要綱はつまずいてしまいますね」
「ますね、じゃなぁーいっ! バクダン! バクダン投げられうひゃわうわああああああああ!」
 飛び交う爆弾、焼ける爆風、跳ねるカーバンクル、マイペースな先輩。
 痛い! 熱い! 苦しい! ヤバイ! 死ぬ! 死ぬ死ぬ! 逃げろっ!

 
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 命からがら帰社してマスター代理のトゥビルゲイムさんに相談。
 一応、私だってカーバンクル召喚できるし、ルインもちゃんと発動した。実家で教えてもらったから魔紋だって理解してるつもり。私は巴術を扱える。
 なのに命中しなくて死にかけたわけで……!
「もしかして……眼が、悪いんじゃないのかい?」
「なるほどっ! キミの視力が低いというのは想定外の状況でしたね!」
「えー」
 翌朝、最初のお給金握り締め、国際街商通りで眼鏡を買いましたとさ。

 エステルの物語 第1部