エステル・ユスターシュの航海日誌

FINAL FANTASY XIV Player's Logbook

第17章 船長拝命

※この物語はあたかも本編準拠のような単なる妄想です。
※ときどきネタバレとか含まれちゃうかも知れません。





 その夜まず、トゥビルゲイムさんに呼び出された。
 巴術士ギルドの門下生としてこれはよくあることで、課題を出されたり、お仕事斡旋してもらったりするわけだけど、この日は伝言だった。
「お前さん、なにやらかしたんだい?」
 会うなりそんなことを言われた。
「公社を通じて軍令部の上の方からお呼び出しだよ」
 うん? こんな時間に? お役所が?

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 軍令部っていうのはリムサ・ロミンサのグランドカンパニー“黒渦団”の司令部のことで、対帝国やら対蛮族蛮神やら霊災からの復興やらの危機において都市国家全体の指揮を執ってる。厳密には分けて考えなきゃいけないけど、事実上、メルウィブ提督の司令部みたいなもの。
 つまり、ね?
 これは、リムサ・ロミンサのトップからのお呼び出しに他ならない!
 ミズンマスト爆破未遂事件のご褒美はもうもらったし、晩餐会で完全によっぱらにゃったから覚えめでたいわけないし、これはきっとなにか怒られるに違いない!
 ヤバイ! 行きたくない!

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 でも、もちろん、行かないわけにはいかない。
 あわてて自宅……もとい、社宅に帰って軍装に着替える。冒険者らしくいろんなお仕事掛け持ちした結果、税関公社と黒渦団と暁を繋ぐ連絡将校って仕事もしてるんだしね。
 こんなことばっかりしてるから冒険者は便利屋とか言われるんだよ!
 今回も、言われたとおり軍令部に出頭したら、
「ご苦労、ではアドミラルブリッジに向かい給え」
 とかたらい回しだし! お使いかなにかかっ!

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「メルヴァン税関公社嘱託検査官エステル・ユスターシュ、登庁致しましたー!」
 リムサ・ロミンサの政庁にして、メルウィブ提督の在所、アドミラルブリッジに行くと、お偉いさんが勢揃いしてた。
 ヤバイ、緊張する。
 タールで汚れた掌を隠すのが起源の黒渦団式敬礼もちゃんとできたか自信ないし。
「ああ、誰かと思えば貴公だったか……」
 先日の晩餐会のことを言われてる。間違いない。
「ひゃ、はい。……その、その節は失礼致しました」
 冷たい視線に射抜かれる。
 いや、でも、だって、晩餐会でローマニロッソ出すんだもん。
 そりゃ飲んじゃうってばぁ!

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「エインザル、本当に彼女で良いのか?」
 不安そうな小声を腹心に向ける提督。腹心っていうのは、十二賢者の行進作戦のときにトライアンフ号でも会ったことある軍令部総長のエインザル大甲将。
「双剣……いえ、エーデルワイス商会からの推薦でもありますし」
「ジャックの目に叶うなら、そうか……」
 聞こえてる聞こえてるよ、両閣下!
 って、うん?
 エーデルワイス商会って確か謎のお礼状の差出人。
 どゆこと?
「このエインザルが長年船長として勤めた武装商船があるのだが……」
 唐突に提督は話し始めた。私には先が読めない。
「彼の軍令部総長就任から船長不在の状態が続いている」
「は、はぁ……」
 我ながら間抜けな返事したと思うけど、やっぱりよくわからない。
「設立と同時に黒渦団が徴発した五年ほど前から混成艦隊の方で預かっている……つまり、預かっていることになっている」
 そんなに“ことになっている”を強調しなくてもよくない?

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「その武装商船クレージーチェシャキャッツ号の船長に――」
 私はこの瞬間に至るも、提督の話を他人事のように聴いていた。
「エステル・ユスターシュ、貴公を任命する!」
「……へ?」
「おめでとう、ユスターシュ船長!」
「……ふぁ!?」

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 エステルの物語 第2部