エステル・ユスターシュの航海日誌

FINAL FANTASY XIV Player's Logbook

第16章 収支と資産と労働のワルツ

※この物語はあたかも本編準拠のような単なる妄想です。
※ときどきネタバレとか含まれちゃうかも知れません。






 労働は尊い。
 働けるからお給金がもらえるし、お給金がもらえるから生活できる。
 ありがたいことに、エオルゼアに来てからこっち無職って経験はない。かろうじて巴術が使えたから冒険者ギルドの紹介でメルヴァン税関公社に嘱託で雇ってもらってるし、冒険者としては暁の血盟から蛮神討伐の依頼を受ける。
 めっちゃくちゃ忙しいし、命も危ういけどありがたいって思わなきゃいけない!
 文句とか愚痴とかよくない!
 だって、いま“姐さん”にやらされてる仕事と比べたら意義があるもん!

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 ウルダハの裁縫師ギルドに送り込まれた。
 いや、書類上はね? 冒険者として裁縫師ギルドに入門して技術を教えてもらう立場なんだけど、コレ、完全に身売りだよね!?
 来る日も来る日も下働き! 公社の仕事も暁の仕事もやってるのに!
 この仕事を斡旋したというか、命令したのが姐さん。
 シ・オネ・マチ、サンシーカー女性の会計士さん。
 私のリテイナーさんにして、合資会社ユスターシュ&シ族商会の共同社主。
 トリプルトライアドに負けまくった私は商会の経営権も、私個人の資産運用権も彼女に奪われた! なんて酷い話なんだー!
 だいたい、私は食うに困ってないのに!
 なんでこんなことになったかというと……!























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 そういえば、私が税関公社の出張所のお仕事でてんてこ舞いしてたら、姐さんがどこからか優秀な人材を雇ってきてくれたりした。
 でも、あれ?
 私の資産とか収益って、姐さん以外に人を雇い入れる余裕があるってこと?
 もちろん、渋る公社は経費なんか払ってくれないし!
 じゃ、おかしくない?
 だって、収入なんてそんなに多くないわけで……?
 なんて疑問を覚えた数日前、ちょうど姐さんに呼び出されたんだよね。

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「えーっと……第十二区拡張街の……四十七番地」
 メモを頼りにミスト・ヴィレッジをうろうろ。
 低地ラノシアにあるミスト・ヴィレッジはいわゆる冒険者居住区。リムサ・ロミンサ政庁が優秀な冒険者を呼び込むために宅地開発した地域。実は、私の職場、税関公社の出張所が置かれてるのは、そんな冒険者や船乗りを相手にするサルーン“九尾の猫亭”だったりするわけで、私も少しは土地勘がある。
「あ、ここだ」
「ステラ、遅かったじゃない」
 姐さんが私を見つけてくれた。
 そこは、坂に面した高台にある戸建ての住宅だった。
「宿は引き払っといたから、今日からあなた、ここに住みなさい」
 なんて、姐さんはしれっと言う。
「…………へ?」
「お馬鹿、いつまでも根無し草ってわけにもいかないでしょ?」
「ええええええええええええ!?」

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 いわゆる、個人宅だ!
 なにそれ! すごい! 夢のマイホーム!
「姐さん!? コレどーしたの!?」
 こんなにはしゃいだのはエオルゼア上陸以来初めてかも知れない!
「宿代の支出も馬鹿にならないでしょ? だから、買ったの」
「買ったぁ!? だって、こんなの! 何百万もするでしょ!?」
 そんなギル見たこともない!
 あ、いや、税関公社のお仕事では扱ったこともあるけど、私のお財布に入ってたこともないし、入りもしない!
「土地建物、調度品合わせて概算で五百万ギルってところじゃないかしら?」
 待って! 待て待て待て待て待って!
 会計士じゃない私だってそれっくらいの足し引きはできるよ!
「姐さん! それオカシイ! 私の収入そんなにないでしょ!」
「お馬鹿」
 ぴしゃり。
「私がステラの資産を何倍に増やしたと思ってるわけ?」
 なにそれ、マジモンの錬金術かなにかですか?

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 リビング!

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 お勝手!

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 水槽のある食卓!

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 シャワー付きのお風呂!

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 寝室!

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 でっかい……金庫?

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 なぞの品々?

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 搬入口……?

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 門番!?

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「なにこれ?」
「ん? ああ、商会に店舗も倉庫もなくて困ってたから、ついでに」
 この人はまたすぐしれっという。
「って! もぉ! 姐さん、これじゃゆっくり休めないじゃんかー!」
 私の抗議は尤もな権利の主張だと思うんだ!
 でも、姐さんは、冷徹に応じた。
「は? 休む?」
 なんかもう、ブリザラより冷たい声で。
「あなた、休めると思ってたの?」
「へ?」
「五百万ギルを一括で支払える身分だとでも?」
 いやいや、そんなつもりはないけどさ。
「え、だって、資産、何倍にも、増やしてくれた、って」
 そう言ったのは姐さんだし……。
「あの微々たる資産を?」
 訂正、ブリザガ。
 よくわかった。
 姐さんは親切でおうちを買ってくれたわけじゃない。
 私を働かせて、無限に商売するためだ。
「支払い期日まであと一ヶ月……」
 このひと、ただただお金儲けが好きなだけなんだ!
「手形不渡りにしないためにも、休みなしで働いてちょうだい」
 こうして私の労働万歳月間が始まったのであった……!

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 エステルの物語 第2部