エステル・ユスターシュの航海日誌

FINAL FANTASY XIV Player's Logbook

第8章 シ族の才女

※この物語はあたかも本編準拠のような単なる妄想です。
※ときどきネタバレとか含まれちゃうかも知れません。




 
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 盤上で私の札がくるりくるりとひっくり返される。
「え、ちょっと待って待って! プラスってなに!? コンボって!?」
「最初に説明したでしょ?」
 対戦相手、黒髪のサンシーカーが呆れ顔で口を開いた。
「この場合なら、隣り合った札の2辺の数字の合計値が等しかったからプラス。そのうえ、プラスで穫った札よりも隣接する札が弱かったからコンボ」
 おわかりいただけただろうか?
「……え、あ、うん、ソーダネ」
 そんなこと言われても、私にはさっぱり意味がわからない! 2辺の数字の合計値ってなんだよ! どことどこだよ!? わっかんないよ!
 トリプルトライアド、ルール難しいよ!
「お馬鹿」
 実はまったく理解してないのもバレてるー!
「それでも約束は約束、ね? ステラの資産運用は私の領分ということで」
 そう、私たちが賭けてたのは冒険者とリテイナーの仕事の分担なの。



 
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 シ・オネ・マチ。
 サンシーカー女性で、今日から私のリテイナーさん。
 このシ・オネさん。
 リムサ・ロミンサ都市民の会計士さんで、私より十以上年長だと思う。思うんだけど、年齢は教えてもらってない。訊こうとしたらものすごい怖い視線感じたし。
 このひと、結構な物知りでね。私の名前を見るなり、その語源が「星」であることに気づいて早速「ステラ」なんてニックネームで呼んだの。
 逆に私は彼女のことを、後に「姐さん」って呼ぶことになるんだけど。




 
 
 
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 例の暁の血盟って組織は(受付のタタルさんめっちゃ変だったけど)ちょっとしたものだった。前に会ったことのあるヤ・シュトラさんやサンクレナントカさんもそこの主要構成員なんだって。
 エオルゼアの救済なんていうちょっと偽善的でふわっとした目的に本気で取り組む組織で、各都市国家やら各地のギルドやらなにやらにも影響力を持ってるらしい。
 名目だけは冒険者ってことになってる(実力不足の)私なんかをスカウトしたのは、暁が蛮神討伐・討滅をひとつの使命と捉えてるから。どうやら、テンパードにならない「異能」だけが私の取り柄みたい。
 で、蛮神対策に協力する前金代わりとして図ってもらった便宜が、リテイナーさん雇用契約の仲介と優秀なリテイナーさんの紹介だった。
 リテイナーさん、っていうのは、なんていうのかな? 各地を飛び回る冒険者から委託を受けて資産管理やらなんやらをする代理人ってとこ。
 それが、このシ・オネさん。
 ミスト・ヴィレッジにある「九尾の猫亭」っていうサルーンで合流。
 今日が初顔合わせだったんだけど……。



 
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「さて、次は合資会社設立とその経営権について」
 慣れた手つきでデッキをトントンってしながら、彼女はなにやら難しい単語を口にした。私にはそのスペルすらよくわからない。
「へ、なにそれ?」
「管理だけでなくて私が運用もしてステラの資産を増やす以上、会社組織にしておいた方が後々税制面でも優遇されるから。税関公社検査官のステラならわかるでしょう?」
「な、なるほど」
 ちゃんとわかったよ! これくらいはわかったってば!
「……あ、でも! 今度はプラスのルールなしね!」
 そう、わからないルールは避けるが得策! 恥を捨てて逃げるのは戦術的にも有効ってリヒャ先輩も教えてくれたし!
「うん? まぁ、いいけど?」
 よし! これなら負けない! 私のオニオンナイトが火を噴くぞ!
「じゃあ、今度はセイム適用ね」
 ん? なにそれ? いや、でも、プラスから逃げた以上これは退けないし……。



 
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 数分後。
「え、ちょっと待って待って! セイムってなに!?」
 結果、ユスターシュ&シ族商会の経営権は全部が全部、彼女のものとなった。

 エステルの物語 第1部